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| 浴衣は本来、浴帷子(ゆかたびら)という名称です。帷子(かたびら)は麻の単衣のことを指し、かつて風呂と言えば蒸し風呂だった時代に、浴衣として着けたものを浴帷子といったのでした。その後、風呂は現在の湯を張る形式へと変わり、浴衣も湯上がりの濡れた身体に羽織るものへと形を変えました。素材も現在の浴衣と同じである木綿が好まれるようになりました。つまりゆかたとは、今で言うバスローブにあたるものだったのです。今では夏場のくつろぎ着として、また縁日や祭りなどの際には野外にも着て出るようになった浴衣ですが、その歴史では長い間、屋内だけのものとして着用されていたのです。真夏の暑い夜に、行水あるいは湯上がりの素肌に掛け、しばしの涼をとる時の浴衣。やがて夕涼みに屋外の縁台に腰掛けるようになると、団扇片手のそぞろ歩きにも着て出るようになりました。風呂上がりの洗い髪を無造作に束ねて、屋外で浴衣掛けで夕涼む女性の姿は、灼熱に攻められた昼間の物憂気な様子とは違い、艶っぽく生き生きと見えます。現代の日本女性に聞くと、浴衣の印象を「冒険」だと答えます。肌の露出するファッションが日常であるのに、反対に素肌の殆どを覆い隠すキモノのスタイルに、日本人独自の恥じらいの感性が働くのはおもしろいことです。 |
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